この一年も弊事務所に格別のお引き立てを賜り、ありがとうございました。お陰様で事務所にとって順調に成長・前進した一年となりました。
また、本年は私が研究員の委嘱を受けている近畿税務研究センターがいよいよ本格的に始動しました。私にとっては税理士の実務と研究活動の「二刀流」が一段とハードになった一年でした。しかし、皆様のご理解と応援のお陰でなんとか両立することができ、そのことも感謝申し上げます。
近畿税務研究センターは、近畿税理士会のシンクタンクとして国内外の税務・会計・経営・法律その他の社会科学ならびに税理士制度に関して中長期的な視点で継続的に研究していくことを目的に設立された機関で、私の所属している研究グループは、これからの所得課税のあり方を、現場で実務に携わっている目線で議論しています。いま話題の「103万円の壁」の問題は、所得税の課税最低限の問題でもあり、重要な論点の一つです。
さて、来たる2025年は弊事務所創業75周年に当たります。堺東で4分の3世紀、まさに関与先様と共に歩み、皆様に支えていただいてここまで来ることができたことを思うと、本当に感謝に堪えません。これからも老舗事務所の強みを最大限に活かして、職員たちが老舗で働くことを誇りに思える事務所にしていきたいと思います。来年は私の所長就任20周年でもあります。どうぞ、これからも末永く、弊事務所を盛り立ててくださいますようお願いいたします。私も、事務所の未来の姿を夢見て、まだ見ぬ後継者にバトンを渡す日が来るまで、あともう少し頑張りたいと思っています。
年末年始は12月28日(土)から1月5日(日)まで休業いたします。この一年も本当にありがとうございました。皆様よいお年をお迎えください。(税理士 忠岡 博)
紅葉の美しい季節。私は毎月、同志社大学での研究会に出席するために京都へ行くのですが、毎年、これからの季節は本当に綺麗なので楽しみです。いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、ありがとうございます。
さて、所得税において「配偶者」という言葉の意味は明らかではありません。しかし、国税庁の解釈指針である通達においては、民法の規定における配偶者と同じ意味に解釈するのだとされています。したがって、現行の所得税の実務では、その人が法律上の婚姻関係にある人なのかどうかによって、配偶者に該当するか該当しないかを判断しています。
ところが近年、敢えて法律婚を選択しない人や、法律婚を選択したくても選択できない人が増えています。国会でも、法律婚を選択した人と選択しない事実婚の人との間で差別的な取り扱いをすることでよいのかということが議論されるようになりました。その結果、税以外の分野では、事実婚も法律婚と同様に取り扱うようになってきました。また、諸外国においても、事実婚や同性婚を法律で認める傾向が加速しています。そのような状況を受けて、日本の所得税も、「配偶者」の範囲に事実婚や同性婚によるパートナーを含めるべきだという意見が聞かれるようになりました。
確かに、現行の所得税法には「配偶者」の意味は明記されていませんが、現在は、まだ事実婚や同性婚によるパートナーを配偶者に含めることには無理があります。しかし、私はつねづね、税法は時代と共に変えていくべきだと思っています。そのために乗り越えなければならない問題点はたくさんありますが、いずれはきちんと改正して、明文化すべきだと考えます。
今月も弊事務所をよろしくお願いいたします。(税理士 忠岡 博)
事務所前の「堺まつり」の提灯に明かりが点る季節になりました。皆様のお近くもお祭りの季節ではないかと拝察いたします。いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、中小企業倒産防止共済を解約した場合にそれまでの掛金の全額が「解約手当金」として戻ってくるのは、加入後3年目、4年目あたりからですが、じつは、その頃に一度解約する加入者が非常に多いのだそうです。しかも、解約してもまたその後すぐに再加入する場合が目立っているそうです。一度解約して、同じ事業年度内に再加入し、1年分の掛金を前納しますと、前納分も損金算入できますから、結局、最大で2年分の掛金を損金に算入でき、法人税(個人の場合は所得税)の節税になるからです。
しかし、このように解約して再加入をすると、積立金の変動によって貸付可能額も変動することになり、これではこの共済の本来の目的である「連鎖倒産への備え」が不安定になってしまいます。そこで、中小企業倒産防止共済のこのような利用の仕方は本来の目的とかけ離れているということで、制度にメスが入ることになりました。その結果、中小企業倒産防止共済の解約後、再加入した場合には、解約の日から2年を経過する日までの間に支出した掛金については、法人税の課税所得の金額の計算上、損金の額に算入することができなくなりました(個人の場合も、所得税の課税所得の金額の計算上、必要経費に算入することができなくなりました)。
なお、この規定は、令和6年10月1日以降に解約する分から適用されます。
10月4日(金)は職員研修のため臨時休業いたします。今月も、弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
追記:能登半島豪雨で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。事務所でまた緊急募金活動を始めました。
残暑お見舞い申し上げます。いつも格別のお引き立てにあずかり、厚くお礼申し上げます。
世の中、IoTやロボットによる業務の効率化、省力化が進むにつれ、「人間性の回復」が叫ばれるようになりました。私たち税理士の間でも、事務所の職員に「人間力」が必要だということが話題になるようになりました。機械でできる仕事を機械がこなすようになると、ますます、人間力の必要な仕事が人間の仕事になっていくということだと思います。
人間力を構成する要素はいろいろありますが、ちなみに弊事務所では、事務所の企業理念が「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」ですから、とりわけ「愛の精神」の涵養に努めています。結婚式でよく聖書の「愛は寛容であり…」という箇所が読まれますが、私たちも、寛容であること、謙虚であること、親切であること、柔和であることなど「愛の精神」を大切に考えているのです。具体的には毎朝の朝礼で新約聖書を輪読し、知らず知らずのうちに「忠岡事務所の人たちは愛が溢れているね」「だから何でも相談できるね」と言っていただけるような人間力が身につくことを目指しています。
さて、そんなご時世の中、このほど中小企業庁は、人手不足に悩む中小企業の売上拡大や生産性向上を後押しするため、「中小企業省力化投資補助金」を創設しました。この補助金は、人手不足解消に省力化の効果があるIoTやロボットなどを導入する際に、費用の一部を補助してもらえるものです。詳しくは弊事務所にお訊ねください。
夏の疲れは出ていませんか。今月も、弊事務所をよろしくお願いします。(税理士 忠岡 博)
追記:最近、またまた国税局や税務署を名乗る怪しいメールが出回っています(写真右)。国税局や税務署が、このような方法で個人情報を収集することは絶対にありません。くれぐれもご注意くださいますようお願いいたします。
梅雨が明けると連日の酷暑続き。どうぞ皆様、熱中症にご注意ください。いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
弊事務所は「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」を企業理念に掲げ、いつも、溢れる愛でとことん関与先様に寄り添う事務所でありたいと願っています。しかし、現状ではまだ不十分、改善すべき点が多いと思っています。改善すべき点はご遠慮なくご教示いただけますと幸いです。
さて、最近、「御社を買いたい方がおられます」などというDMがM&Aの仲介業者から頻繁に届くという話を聞きます。社長の心が折れている時だったので、ついついその話に乗ってしまった、という話も耳にします。
もちろん、会社の将来を考えたとき、事業承継の一つの方法としてM&Aという選択肢は必ずしも悪い話ではありません。しかし、仲介業者の中には悪質な業者もありますので、M&Aをご検討の際は、弊事務所にもご相談くださいますようお願いします。弊事務所は、(これも「寄り添い」の一環ですが)株式会社日本M&Aセンター様と業務提携をしています。私自身も日本M&A協会の理事を務めています。実際にM&Aの経験もあり、研修も受けていますので、安心してご相談いただけると思います。
いま、弊事務所職員が関与先様を訪問する際に、事業承継に関するアンケート調査を実施しています。ご協力くださいますようお願いいたします。
なお、弊事務所のお盆休みは毎年8月13日~16日ですが、今年はその前後に土日や振替休日がありますので、10日から18日まで連休となります。その期間、お急ぎのご用は私の携帯へお願いいたします。(税理士 忠岡 博)
追記:弊事務所では、8月22日(木)に「一日公庫」を開設します。事務所に日本政策金融公庫の担当者をお招きして行う融資の相談会です。開催時間は朝10時から夕方4時まで。どうぞお気軽にご活用ください(要予約)。
いよいよ夏本番。暑中お見舞い申し上げます。
先日、日本税法学会の全国大会に出席するために熊本へ行ってきました。2016年の地震で大きな被害を受けた熊本城は現在も修復工事中ですが、天守閣は復活しており、その雄姿を仰ぎ見ることができました。おいしい球磨焼酎も買って帰りました。
さて、交際費の範囲から除外される1人あたり1万円以下の飲食費には、得意先等の業務の遂行や行事の開催に際してお弁当の差入れをした場合の、そのお弁当の代金も含まれます。ただし、そのお弁当は、差入れ後、得意先等の人が相応の時間内に食べるものであることが前提です。単に飲食物の詰め合わせを贈っただけの場合は、お中元やお歳暮を贈った場合と同様の取扱いとなり、原則として交際費になります。
なお、飲食店で飲食をした後、そのお店で提供されている飲食物をお土産としてテイクアウトするために、そのテイクアウトの代金をお店に支払った場合は、その代金は、交際費から除外される飲食費に含まれます。
しかし、ゴルフ、観劇、旅行等の催事の中での飲食については、その催事全体で1つの接待ですから、その中の飲食費部分だけを取り出して、それがたとえ1人あたり1万円以下であっても、交際費から除くことはできません。
とはいうものの、こんなことを考えながら接待をしていたら、おいしいお酒もお料理も不味くなってしまいますよね。
今月も弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
いつも格別のお引き立て感謝申し上げます。
かつて事務所のみんなで能登半島を旅行しました。2007年の地震の直後でした。あの時にみんなで写真を撮った輪島「千枚田」の1,004枚の棚田が、今年1月の地震で大打撃を受けたようですが、復旧した120枚の棚田で田植えが行われたニュースを聞いて嬉しく思いました。復興にはまだ時間が掛かるようですが、弊事務所では、今も能登の方々を覚えて募金活動を続けています。
さて、いよいよ定額減税が始まります。弊事務所では2回にわたってセミナーを開催しましたが、関与先の皆様が減税の仕組みをきちんと理解し、従業員の皆様にもそれを周知できているのか、正直、心配しています。
特にややこしいのは、減税の対象となる「同一生計配偶者」と扶養控除等申告書に記載されている「源泉控除対象配偶者」が必ずしも一致しないところです。「源泉控除対象配偶者」であっても、所得が48万円(給与収入なら103万円)を超える配偶者は減税の対象になりません。また、定額減税は、給与の受給者本人の所得金額に関係なく「同一生計配偶者」は減税の対象になります。扶養親族についても、年齢や子ども手当の受給に関係なく減税の対象になります。
給与担当者は本当に手間が掛かって大変だと思いますが、不明な点はいつでも弊事務所にお訊ねください。各人の給与明細に減税額を明記することもお忘れなきようお願いします。
今月も弊事務所をよろしくお願いいたします。(税理士 忠岡 博)
いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、ありがとうございます。
日々の忙しさに追われていると、何が正しいのか分からなくなることがあります。そんな時は、私は一度仕事の手を止め、立ち止まって、心を静かに祈ることにしています。「正」しいという字は「一」と「止」を合わせたものです。この字のごとく、一度止まってみると、正しい答えが見えてくると思うのです。
14年前、事務所創業60周年記念パーティーにおいて、私は「本業以外の過剰なサービス競争に明け暮れている税理士が増えてきた」というお話をしました。そして、弊事務所はけっしてそのようなサービス競争には乗らないで、あくまで税理士本来の業務で勝負するというお話をしました。しかし、じつは過剰と思えるサービス競争をしていた税理士の先生方は、本来の業務がAIに取って代わられる時代が来ることを見据えて、そうなった場合に他にどんなサービスができるのかを模索していたのでした。
しかし、それでも私はここでぶれてはいけないと思うのです。もちろん、ウェルスマネジメントなど時代が求めるものには取り組むべきですが、それでも基本は、本来の業務で納税者の信頼に応えること。弊事務所の場合は税理士業務を通して喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣くことです。AIに取って代わられるから別のことをするのではなく、基本を見失わずにAIを駆使していくことが大切だと思うのです。実務と研究の「二刀流」を応援してくださっている皆様のご期待に応えるためにも、そこはぶれてはいけません。それが、一度立ち止まったことで見えてきた私の結論です。
今月も弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、ありがとうございます。
アサヒスーパードライの生みの親である樋口廣太郎さんの著書によると、初代アサヒビール社長の山本為三郎さんは、サントリーから「アサヒの特約店でサントリービールを取り扱えるようにしてほしい」と要請され、特約店の一部をサントリーに譲ってしまいました。そのために「サントリーに分けた分、市場が食われてしまった」と社内で大いに責められました。しかし本当は、山本さんは6回も断った末の苦渋の決断だったのです。そこで樋口さんは、社長になったとき、山本さんの功績をきちんと讃えるべきだと社内で訴えました。「初代社長の評価が正しいものになれば、愛社精神も深まるからです。初代社長を尊敬できない会社は伸びません」と樋口さんはいいます(『樋口廣太郎一日一話』PHP出版、1999年)。じつは、私がしばしば事務所の創業者である祖父の話を持ち出すのは、事務所の原点を見つめ直すためだけでなく、職員たちが事務所に対する愛所精神を持って、誇りを持って仕事に励んでほしいと願っているからでもあるのです。
さて、4月1日から、交際費から除外される(会議費にできる)飲食の金額の上限が、1人あたり1万円に引き上げられます(従来は5,000円)。最近は物価が上がり、飲食代も高くなったということで今般の改正となりました。4月1日からの適用ですから、特に3月決算法人以外の法人は、同じ事業年度内であっても、3月31日までは5,000円基準、4月1日以降は1万円基準となり、2つの基準が混在することになりますのでご注意ください。
今月も弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
追記:5月1日は創業記念日のため休業いたします。
事務所から近い瓦町公園の「モクレンのつぼみが割れてきたよ」と教えてくださった方がおられたので、昼休みに見に行ってきました。事務所で仕事ばかりしているとなかなか気づきませんが、もう春ですね。皆様はいかがお過ごしでしょう。いつも弊事務所に格別のお引き立てを賜り、厚く御礼を申し上げます。
私は大学生の頃、今で言う「歴史オタク」だったのだと思います。日本史の上田さち子教授の研究室へ頻繁に出入りして、日本の歴史について、ああだこうだと勝手なことを喋っていました。その時に上田先生から、「歴史を学ぶ意義は、何年に何があったという知識を増やして物知りになることではなく、これからの時代をどう生きるかを歴史を見ることによって考えることにある」と教わりました。事務所の未来を考えるときも同様に、事務所の歴史を紐解くことが大切だと思っています。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」を企業理念に掲げているのはそのためでもあります。
さて、昨年来、この国では急激に物価が高騰していますが、政府はこれをデフレ脱却の好機であると捉えています。ところが、この物価高に賃金の上昇が追いついていないため、国民の生活は、経済的負担が大きくなるばかりです。そこで、この経済的負担を軽減するために、6月から、4万円の定額減税(所得税3万円、住民税1万円)が行われることになりました。
面倒なのは、給与所得者の所得税の減税は源泉徴収の際に行うという点です。住民税の特別徴収のほうは、減税分も加味した上で市町村が計算してくれますが、源泉所得税のほうは、いちいち給与の支払者が計算しなければなりません。弊事務所では、この定額減税と電子帳簿保存法のセミナーを開催する予定ですが、不明な点はいつでも弊事務所にお訊ねくださいますようお願いします。
確定申告業務も大詰め、今月も弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
追記:最近、インターネット閲覧中にセキュリティの警告を表示してお金をだまし取る「偽セキュリティ詐欺」が横行しています。ご注意ください。
いつも格別のお引き立てにあずかり、厚くお礼申し上げます。昨年の暮れ、月亭遊方さんの独演会を聴きに、天満天神繁昌亭へ行く機会がありました。遊方さんにとって今回がネタ下ろしとなった「算段の平兵衛」は、月亭可朝師匠から八方さん、遊方さんと語り継がれてきた「月亭」のお家芸だそうで、さすがに見事な演じっぷりで、すっかり魅了されました。
弊事務所にも「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」という創業以来の「お家芸」があります。落語のお家芸は、お家芸でも時代や演者によって演じ方が異なるようで、弊事務所のお家芸も、時代や現在の事務所のメンバーの持ち味に合わせて磨いていかなければならないと思います。
さて、いよいよ今年も確定申告の季節です。確定申告で税理士泣かせの問題の一つに、医療費控除において、介護の費用はどこまで医療費に含まれるのか、という問題があります。所得税法が医療費を「診療又は治療」の費用に限定しているにもかかわらず、国税庁の通達では、高齢者のおむつ代や一部の訪問介護サービスの利用料など「介護」に関わる費用も一部を医療費控除の対象にすることを容認し、しかしそれを徹底するわけでもなく、一部だけしか認めていないために混乱が生じているのです。
近年の超高齢社会において急増している介護の費用負担を税制面から支援する必要は大いにあると思います。しかし、法律が規定する範囲を越えて通達が別の定義をすることは好ましいことではありません。また、介護の費用負担の支援を、医療費控除の拡張だけで片付けてしまうことにも問題があると私は考えます。超高齢社会に相応しい法律の改正が望まれます。
今月も弊事務所をよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
追記:本年は、弊事務所はご新規様の確定申告を受け付けておりません。ご了承願います。
旧年中は弊事務所に格別のお引き立てを賜り、ありがとうございました。
かつて格安運賃の航空会社(LCC)が発足したとき、その中の一社の社長の講演を聴く機会がありました。その会社はなぜ運賃を安くできるのか。社長の説明によると、例えば、空港の近くに住む人しか従業員に採用しない。そうすれば通勤交通費が節約できる。また、飛行機が飛ぶ航路も、片道2時間以内で行ける場所へしか就航しない。そうすると日帰りで乗務できるので、乗務員の宿舎を設ける必要がない。さらに、普通は運賃に機内で出す飲み物の料金も含まれているが、これを省き、飲み物は欲しい人にだけ有料で販売する。そのように、お客様に負担を掛けなくても、いくらでも運賃を安くする方法があるのだという講演を聞き、私はすっかりその航空会社のファンになりました。
ところが、実際のその会社は、飛行機を使い回すから時間どおりに飛ばない。キャンセルしても代金が戻らない。私は、その会社に対する期待が大きかっただけに、すっかり失望してしまいました。
弊事務所はどうでしょうか。関与先様のご期待に沿った仕事ができているでしょうか。皆様に本気で寄り添って、喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く仕事ができているでしょうか。私が航空会社に失望したように、弊事務所に失望なさったお客様はおられないでしょうか。弊事務所は、お陰さまで「堺税務署前の老舗事務所」として名前が広く知られているだけに、その分、お客様のご期待も大きいですから、逆に失望も大きいということを常に心に留めて仕事をしなければならないと思っています。
本年も皆様にとりまして実りの多い一年になりますことを祈念しております。本年もよろしくお願い申し上げます。(税理士 忠岡 博)
追記:令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。ニュースを見て心が痛みます。弊事務所も何か力になりたいと思い、事務所に「能登半島地震YMCA緊急支援募金」の募金箱を設置しました。救援と復興にご尽力されている皆様に心より敬意を表します。